環境調整の不足が原因で転倒させてしまった|看護師インシデントアンケート
Contents
年齢・性別
29歳 ・女性
現在の居住都道府県
神奈川県
看護師として働いた(働いている)年数
8年
インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?
当日の指導者とプリセプター、師長、主任
インシデント発生時の状況
腰椎の手術後で、高齢ですが、認知力低下のない患者さんでした。リハビリテーションに対して意欲的で、自室でも車椅子乗車して過ごす機会を自主的に設けており、術後の経過は順調でした。その日も車椅子乗車して昼食を摂取後、車椅子乗車したまま読書されるとのことで、ナースコールを手元におき、移乗の際は看護師を呼び1人で行動しないよう説明して退室しました。しかし同室者からナースコールがあり、訪室すると、ベットサイドに倒れており、股関節に痛みの訴えがありました。医師に報告し、レントゲンを撮影したところ、大腿骨頸部骨折の診断となり、後日手術することとなりました。患者からは「冷蔵庫から水を取ろうと思って。こんなことで看護師さんを呼ぶのが申し訳なかったから。」と発言がありました。
インシデントの主な原因
退室する際の環境調整の不足が原因だと思いました。患者さんはしっかりされており、看護師に対して労いの言葉をかけてくれるなど、遠慮がちな方でした。1人で動けると思い行動してしまう可能性を考え、身の回りの必要なものを予想したり患者本人に確認してセッティングするべきだったと考えます。また回復期にあり、意欲的な患者さんほど転倒リスクが高いなどの一般的な知識も不足していました。しっかりされている方だから説明すれば大丈夫という甘い考えがあったことも原因の一つだと考えます。
インシデントへの対処方法
インシデントレポートの作成のうえ、病棟でカンファレンスを行いました。原因の追求・今後繰り返さないための対策を話し合いました。医師・師長同席のもと、患者と家族へ説明を行いました。
インシデント後の経過
大腿骨頸部骨折の手術も無事終了し、リハビリテーションにも参加され、杖歩行で退院されました。院内での受傷のためリハビリテーション病院へは転院せず、3ヶ月ほどの入院期間となりました。
インシデントを無くすためには
リスク感性を磨くことだと思います。認知症がないから大丈夫・説明したから大丈夫ではなく、もし○○だったらとあらゆる可能性を考えリスクを排除していくことが重要だと思います。日々の業務に追われ、なかなか患者さんと向き合う時間をとることは難しいこともありますが、患者の疾患や症状はもちろん、性格キャラクター・価値観なども理解し、一律の対応ではなく、その人にあった対策を講じる必要があると思います。
インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス
どんなに気をつけていてもインシデントは起こってしまう事があります。そんなときは仕方ないと開き直ったり、こんなミスしてしまったと落ち込むのではなく次に繋げられるよう学んでいきましょう。どうしてインシデントが起こってしまったのか、どうしたらよかったのかを徹底的に分析をし二度と起こらないように対策を考えます。この繰り返しでしかリスク感性は養われないと思います。そして経験をつめば確実にリスク感性は養われていきます。だれしもが通る道だと考え、前向きに学びに変えていきましょう。
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