転倒予防策が不十分だった患者が、車椅子の横で尻餅をついていた|看護師インシデントアンケート
Contents
年齢・性別
32歳・女性
現在の居住都道府県
兵庫県
看護師として働いた(働いている)年数
10年
インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?
看護師長 同僚
インシデント発生時の状況
患者さんは85歳の男性、普段、車椅子に自分で移乗して、病室や食堂を自由に行き来していました。日勤で勤務中、病室からドスンという音がしたため、その部屋に訪室すると、患者が車椅子の横で尻餅をついているところを発見しました。すぐに全身を観察したが特に外傷はありませんでした。医師に報告し、診察をしてもらったがとくに異常は認めませんでした。患者はもともと、転倒や転落のリスクが非常に高く、何度も予防策を考え実施していたが、患者自身が自分は転ぶことはないと怒りながら不満を訴えるため、予防策は不十分と皆が感じている状態でした。
インシデントの主な原因
患者の転倒や転落のリスクが高いことは分かっていたが、受け持ちの患者の人数は15人であり、常にその患者を見守れる状況ではありませんでした。また、他のスタッフも同様の人数を受け持ったり、入浴の介助を行っていたりと代わりに見守りを頼むことが出来る状況ではありませんでした。予防策に対して、患者本人が何度も怒り不満を言うため、予防策をとれていませんでした。
インシデントへの対処方法
患者のバイタルサインをはかり、全身に外傷がないかを確認しました。また、医師にも報告し、医師の診察もありました。患者の身体に大きな異常はなく、いつも通りの様子であったため、治療などはなく様子観察となりました。その後、患者の家族にも謝罪の連絡をしました。患者のベッドに離床センサーを設置し、センサーがなった時に部屋へ様子を見に行くようにしました。
インシデント後の経過
離床センサーを設置したことで患者が動く度にセンサーが鳴り、スタッフが部屋に訪れるため、それがまた患者のストレスとなり不機嫌になることが多くなりました。しかし、それ以降は転落のインシデントは発生せずに経過できています。
インシデントを無くすためには
患者の自由に動きたいという気持ちを尊重することと、患者の安全を守ることが難しい場合が多いです。今回の患者では、ベッド柵をすることに非常に抵抗があり、しかしナースコールをきちんと押せるわけでもなく、転落のリスクは重々承知しながら、スタッフ間でも何度も話し合った結果の対応でした。インシデントをなくすためには、患者に拘束をする方法もあるが、療養型病院の特性としては拘束を行い患者の自由を妨げることは似つかわしくないため難しい問題だと考えられます。
インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス
看護師をしている限り、一度もインシデントを起こさずに働くということは、ほぼ不可能だと考えられます。しかし、インシデントの内容にもより、薬剤関連のインシデントや患者間違いのインシデント等、防ぐことができるものもあるため、日頃からチェック方法を遵守して働くべきだと考えます。
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