息が苦しいと訴える患者に、心不全であると気づけなかった|看護師インシデントアンケート
Contents
年齢・性別
25歳、女性
現在の居住都道府県
大阪府
看護師として働いた(働いている)年数
3年
インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?
同期の看護師
インシデント発生時の状況
その日の担当患者Aさんは、頭頸部癌に対し、放射線化学療法を行うために入院中でした。当時の私は看護師2年目で、ひと通りの病棟業務を1人でこなせるようになっていました。私の働いていた病棟はPNSを導入しており、その日は仲の良い先輩とペアで、楽しく働いていました。A氏に関しての情報収集を行った後、朝一番にペアの先輩と申し送りを行いました。その時、A氏の体重が増加傾向にあることは共有していましたが、特別問題視はしていませんでした。朝のラウンド時、A氏はいつもと変わらない様子でした。しかし、午後になって「息が苦しい」とのナースコールがあったのです。A氏に呼吸器疾患の既往はなく、原因がすぐにはわかりませんでした。SPO2値を測定すると、90%前後で、明らかに普段よりも低下しています。この時、ペアの先輩と相談しながら2人でA氏の対応にあたりましたが、原因が分からず、状態は徐々に悪化する一方でした。その日は日曜日であったため、医師の数は1人しかおらず、あいにくその時は別の急変患者さんの対応中でした。そのため、看護主任へ呼吸苦があることを報告すると、すぐに「浮腫の有無」について尋ねられました。私はなぜ浮腫の有無を尋ねられたのかすぐに理解できませんでしたが、急いでA氏を確認しに行くと、下肢に著名な浮腫が認められました。これを主任へ報告すると、「すぐに医師へ再度報告し、採血の準備も行うように!」と言われました。その理由について主任へたずねると、「心不全に陥っているのではないか」と言われました。結果的に、医師の指示のもと検査を行い、重度の心不全で命の危機が迫っていたことが明らかになりました。
インシデントの主な原因
A氏が心不全に陥っていたことに気づけなかったインシデントの原因は、知識や経験の不足だと思います。
インシデントへの対処方法
心不全であることが判明後、A氏はすぐに循環器内科へ移動となり、専門的な治療が開始されました。
インシデント後の経過
その後A氏は循環器病棟で順調に回復し、本来の入院目的であった、放射線化学療法を続けることができました。
インシデントを無くすためには
このようなインシデントを無くすためには、幅広い疾患について、理解を深めることが一番だと考えます。また、他のスタッフ達に経緯をキチンと伝え、周知していく事も再発防止になると考えます。
インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス
このインシデントを起こした時、私は看護師としての自信を無くしてしまいました。ペアの先輩も同様に、激しく落ち込みました。そんな時、心の支えになったのは、恋人や友人、家族の存在でした。オンオフをしっかりと切り替えることで、なんとか乗り越えることができました。また、このような事を繰り返さないよう、勉強に励んだことも自信を取り戻すきっかけとなりました。看護師をしていると大変なことはたくさんあると思いますが、人のためになる素晴らしいお仕事なので、みなさんにもぜひ続けて欲しいと思います。
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