看護師研修会「コロナ時代の医療の役割」動画を期間限定、無料で視聴することができます

看護師研修会「コロナ時代の医療の役割」の動画配信について

2020年8~9月に開催した看護師研修会「コロナ時代の医療の役割」の動画を見ることができるようになりました。
今回の看護師研修会は各所から特にご希望の多い「新型コロナウイルス感染症」に関する内容で、参加いただいた看護師の方からも下記のような感想もいただいています。
視聴をご希望の方は下部「看護師研修会 視聴申込みフォーム」から「ご要望・ご質問など」の欄に「コロナ時代の医療の役割視聴希望」とご記入頂き、送信をお願い致します。

内容:コロナ時代の医療の役割
講師:田中敏博 医師 静岡厚生病院 小児科診療部長(日本小児感染症学会理事・日本ワクチン学会理事)

【看護師研修会 視聴申込みフォーム】

お申込みいただきますと視聴用のurlを記載したメールが「@akutagawa.co.jp]から届きます。受信許可設定(迷惑メール設定)をしている場合は解除をお願いします。
また今後、看護師研修会の予定や看護師にまつわる様々な情報をお送りしていく予定です。お楽しみにしてください。
配信を希望されない場合はその旨、弊社にお知らせください。

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看護師研修会「コロナ時代の医療の役割(田中敏博先生、2020年8,9月)」レポート

Tさん 30代 静岡市葵区在住 介護施設勤務

私達は新型コロナウイルスとどう向き合っていくか?

始めは中国から始まった新型コロナウイルス。新型コロナウイルスは瞬く間に全世界へ広がり、私たちの日常生活を一変させ、今や連日メディアを賑わせています。
政府のあいまいな新型コロナウイルスへの対応策、メディアの過剰とも取れる持ち上げられよう、政府と現場の温度差、著名人の新型コロナウイルスについての発信などで、新型コロナウイルスに対する考え方が分かれてしまったり、それにより深く影響を受けている人もいることでしょう。

様々な情報が錯綜する中、今回静岡厚生病院にお勤めになられている日本小児感染症学会理事・日本ワクチン学会理事を兼任されている医師の田中敏弘先生の研修を受け、自分自身コロナについて改めて考える機会になりました。研修の内容に触れつつ、そのことについて述べさせて頂きたいと思います。

今騒がれているコロナウイルスについて

上記でも少し触れましたが、今やテレビやネットなどでコロナウイルスについての番組やニュースサイトを見ない日はありません。
テレビでは感染者数や感染した人、感染が起こった地域や店、コロナによって死亡した人やその家族の痛ましいその後が主に取り上げられ、見る人によっては過剰に不安や恐怖を仰ぎかねない内容のものなどもあります。

そんなコロナウイルスについて以下に示します。

新型コロナウイルスは新しく発見されたSARS-Cov2に感染することにより発症します。症状は一般的な風邪症状ですが、重症化すると高熱や胸部不快感、呼吸困難の症状が出現し、肺炎へ進展するケースもあります。

小児や若年層は重症化するケースは多くなく、中には無症状のまま経過する人もいます。しかし高齢者や基礎疾患(心血管疾患、慢性呼吸器疾患、悪性腫瘍、糖尿病)を抱える人は重症化しやすいデータが出ています。新型コロナウイルスの致死率はおよそ2-3%程度とされており、最悪の場合死亡してしまうケースも珍しくありません。

症状は軽症の場合だと1週間程度で収まることもありますが、重症化すると上記で述べた呼吸困難や胸痛などの症状が出現し、肺炎に移行する場合もあります。

検査方法として、PCR法や迅速診断キット、抗体検査、血液検査、胸部CTなどの画像診断などがあります。

残念ながらワクチンや特効薬はまだ無く、主に対症療法を行い、治療に効果があるとされている抗HIV薬や抗マラリア薬などが薬として使われています。

人類が感染症に向き合い、戦ってきた歴史とその背景

人類が感染症という災厄に見舞われたのは今回が初めてではありません。過去にも医療の知識や設備が現在のように整っていない中で、コレラ菌や天然痘、ポリオなどの感染症と戦ってきた歴史があります。

今ではほとんど見られなくなった感染症ですが、当時はこういった感染症で命を落とす人が非常に多くいました。しかしその度に戦い、感染症と向き合い、多くの犠牲の結果として、その知識や対処法、ワクチン等を苦労して手に入れることが出来たのです。

結局コロナは恐ろしいもの?それともただの風邪?

日本のみならず、世界中の感染者数や死亡者数、死亡した人について取り上げた内容のみを注目すると、確かに新型コロナウイルスは恐ろしいものに映ってしまいがちです。

ただ、メディアに取り上げられている内容は、切り取られた情報が使われていたり、ネガティブな部分のみクローズアップしたものもたくさん見受けられます。

考え方は十人十色のため、新型コロナウイルスは恐ろしい病だと考える人も居れば、ただの風邪と考える人もいることでしょう。結局新型コロナウイルスが恐ろしいものか、ただの風邪かをカテゴライズし、世界的に統一して決められるのは今の段階において、誰にもできません。

大事なことは、溢れている情報に振り回されて一喜一憂するのではなく、自分で調べるなど新型コロナウイルスについての全体像を捉えたり、自分の身体に間違いなく起こっている事と真剣に向き合い、考えていくことではないでしょうか?

まとめ

今回の研修で特に印象的だったのが、田中先生の「コロナを遮断することはできるが、そうすることによって、人間として大事なものまでも遮断することになってしまう。そうなると本当に恐ろしい時代になってしまう」というお言葉でした。

完璧に新型コロナウイルスを遮断していない日本の状況ですが、感染者を特定し、誹謗中傷したり、最前線で戦っている医療従事者に心無い言葉を投げかけてしまうことを、よく耳にするようになりました。

昨今の日本はまさに「人間として大事なものを遮断している」という状況に他ならなくなってきつつあるということです。
新型コロナウイルスについてのネガティブな情報が溢れ、自分自身が新型コロナウイルスに感染するかもしれないという恐怖の中、心の余裕を失ってしまうのは簡単なことでしょう。

日本だけでなく世界も今、混乱しており、多くの人の心が極限状態に近い、もしくは近づきつつあるように思えてしまう今日この頃です。

未知なものは時に恐怖を抱かせるものではありますが、人間としての優しさ、思いやり、協力が失われてしまうと排除・混沌が起こってしまいます。かつてハンセン病患者が日本に見られたとき、ハンセン病患者を排除する動きがあったと田中先生がおっしゃっていました。

歴史は繰り返すという言葉があります。現在の状況は人類歴史上初めてのことではありませんし、人類が今まで向き合ってきた感染症の中には、新型コロナウイルスよりも重篤なものもあり、更にその当時はまだ医療がここまで発達していませんでした。それを考えると、今の私たちは幾分か恵まれているとも言えるかもしれません。

感染症の流行を繰り返してしまうことは、現在の私たちだけではどうしようもありません。しかし他者への思いやりや優しさを持つこと、協力を忘れないことは、余裕を失いつつある私たちでも不可能なことではありません。
新型コロナウイルスは流行っていますが、私たちの心までもが差別・排除という感染症を流行らせてはいけません。

正しく情報を知り、情報に振り回されず、人間らしく自分らしく過ごすということの大切さを、今回の研修で学びました。この先どうなるのか予測もつきませんが、学んだことを忘れずに過ごしていきたいと思いました。